いつかこの夜に春が来て

あなたの下にも春が訪れますように

凍狂

どうも皆さまお久しぶりです。

 

3,4ヶ月ぶりになるかな、本当はもう少し頻繁に更新したいけれど、いまいち文章を書く気力が起きなくて。

 

じゃあ今回はなぜ、と疑問を抱くかもしれないが、今回は、今回に関してだけは書かなければならないと思った。

 

これは僕のプライドの問題だ。

僕の極めて個人的な、自分勝手な、稚拙な矜持の問題だ。

 

これから書く文章は構成も展開も論理もあったもんじゃない、純粋な怒りによってのみ書き連ねられたものである、ということを先に言っておく。

 

それほどまでに今、僕は冷静さを欠いている。

 

 

 

さて、本題だが、簡潔に言おう。

東京オリンピックのことだ。

 

いよいよ明日に開会式を控えた東京オリンピックのことだ。

そして、その開会式が僕にとって最大の問題点。

 

いや、別にそれ以前にも様々な課題やトラブルはあったと思うし、それに関してまったく憤りが無かったわけではない。

 

ただ、このコロナ禍という世界規模で、なおかつ現在進行形で起こっている未曾有の出来事に対応せざるを得なかったという前提があったからこそ、その部分については看過したい。

 

また、これほどまでに感染拡大が嘆かれ、医療機関が逼迫しているにも関わらず大会を中止・再延期しなかったことについても、個人的には許容すべきだと思う。

 

なぜなら、IOCが開催を強行する姿勢を取り続ける限り、日本としては中止するなんて言えない。

 

IOCが日本に中止の要請を出していたならば、大会にこれまでかかった費用はIOCが補償する流れになるが、日本から中止させてくれと言ったところで、「辞めてもいいけど補償は一切しませんよ」となるのは目に見えている。

 

ただでさえ数年間大々的に広告し続け、競技場も作ってしまったところにコロナ禍の対応となるともう日本政府に金銭的な余裕なんてあるわけがない。

 

こうなってしまった以上少しでもオリンピックの効果を信じ、経済に還元させなければならないというのは自然な流れだ。

 

 

 

じゃなくてさ

 

 

開催の可否云々とか、大量の関係者の来日による感染拡大とか、僕にとっては正直言ってクソほどどうでもいいんですよ、言っちゃえばね。

 

開会式における小林賢太郎解任の件。

 

これです、僕が今憤っているのは。

 

今回Yahoo!ニュースにて投稿された記事では今回の件についてこう書かれている。

 

"東京五輪開会式・閉会式のショーディレクターを務める小林賢太郎氏(48)がお笑いコンビ「ラーメンズ」時代に、ナチス・ドイツによるホロコーストユダヤ人大虐殺)をお笑いコントのネタにしていたことが分かった"

 

なるほど、開会式・閉会式の演出を担当するディレクターが、過去のコント作品にて差別的な発言をしていたと。

 

はあ。

 

で?????

 

 

だからなんですかって話。

 

確かにラーメンズは初期のコントにてそのようなセリフがあった。

 

それは事実だし、僕自身そのコントは10年以上昔から知っている。

 

なぜならば僕は小学生時代から今に至るまでラーメンズの大ファンであり、2人が解散した今でもネタ動画を観ている。

 

僕がお笑いを好きになったきっかけは間違いなくラーメンズであったと言えるし、僕の中では非常に大切な存在だ。

 

そして、そのラーメンズを初めて知ることになったきっかけが今回騒ぎになっている「例のコント」だ。

 

このコントを知らない人のためにざっくり解説をすると、ラーメンズの2人が過去の教育番組「できるかな」をモチーフとした人物になりきって番組の事前準備をするが、次第にエスカレートしていってしまう、というものだ。

 

そのコントの中では、番組の放送内容が酷すぎて視聴者から大量のクレームが届くといった場面があり、そこでは「ノッポさん咥えタバコはやめてください」、「モザイク多すぎ」など、普段から極めて過激な内容であることが示唆されている。

 

つまり、今回の件で槍玉に挙げられた「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」というセリフは、そんな「倫理観の欠如したキャラクターの悪ふざけ」でしかなく、これを「小林賢太郎当人はユダヤ人への差別意識がある!」と解釈してしまうのはどう考えても短絡的すぎるだろうと。

 

コントの一セリフまでいちいち糾弾して吊し上げるようになったらもう終わりですよ。

 

これが罷り通ってしまえばこれからこの国では風刺もブラックジョークも何もかもが許されなくなってしまう。

 

表現の自由とかその前に、視聴者にも選択する自由がある。

 

誰かにとっては嫌な気持ちになるけど、他の誰かにとっては面白いと思うネタがあったとするならば、そのネタは全面的に否定するべきではないと個人的には考える。

 

基本的には下ネタや不謹慎ネタなどが上記に当てはまるが、これらを必要以上に排斥してしまうと、表現の幅がどんどん狭まってしまう。

 

ただ、だからといって僕が「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というセリフを擁護しているわけではない。

 

いや、個人的にはそのセリフも含めて面白いと感じたけれど、そのセリフ無くして笑いが取れるならそっちの方が良いに決まってる。

 

件のコントを見たユダヤ人がいい気持ちになるわけなんてないし。

 

だからといって、わざわざ開会式を直前に控えた状態で掘り下げる問題か?とも思う。

 

もちろん開会式直前だからどうとかいう問題ではないこともわかってはいる、いるけど、これに関しては差別云々とは別の恣意的なものを感じる。

 

単刀直入に言ってしまえば、オリンピック反対派による「オリンピック下げ」、及び記事のPV稼ぎ。

 

 

これだろ、正直なとこ。

 

僕は小林賢太郎ファンだから、今回に関しては記事を書いた高橋浩祐とかいう怪しい自称国際ジャーナリストを斜に見ることしかできないが、あまりに酷い内容とタイミングだと思わないか?

 

少しでも彼に貢献したくないので当該記事のURLを貼ることすらしないが、そもそもお笑い芸人のネタ内容にまで言及してこられたらたまったもんじゃないですよ。

 

数十年活動して、何百本もネタ作ってる芸人に対して、その中のたった一つのセリフを晒しあげられるなんて気が狂ってる。

 

叩いて埃がまったく出ない芸人の方が珍しいし、何年前の話だと思ってんだよと。

 

あと、ラーメンズファンの身から言わせてもらうと、基本的にラーメンズは「人を傷つける笑い」というものをしない。

 

あくまで彼ら2人の世界で完結している作品が大多数だ。

 

ラーメンズは結成初期以外ほとんどテレビ番組に出演しておらず、その代わり「本公演」と言われる舞台で長年活動をしてきた。

 

その「本公演」は1998年の6月から2009年の6月まで10年以上に渡って行われてきた。

 

ちなみに問題となった「できるかな」のコントは1998年5月に発売されたDVDに収録されている。

 

つまり、問題となったコントは本公演が始まる前のコントとなる。

 

僕は、本公演のネタで、差別的な発言や思想があったとは思わない。

 

それは、芸人として、何より表現者として彼らなりに成長したという証だと思う。

 

また、少し話は変わるが、彼らは本公演で披露した100本ものコント動画をYouTubeチャンネルにて無料公開しており、さらにその広告収入で得た全額を赤十字社に寄付し、各地での災害の復興に役立てている。

 

この成長過程や慈善活動などを無視して、たった一つの発言だけをもとに解任する…

 

こんな自分勝手なことが許されていいわけがないでしょ。

 

 

なんなら小山田圭吾の騒動があったから、急いで燃やせる要素を無理矢理見つけてきたんでしょ?

 

マジでさ、呆れてものも言えないよ。

 

というか小山田圭吾の件ついても納得いってないよ、俺は。

 

もちろん彼に関しては明確な悪意があっていじめをしたんだろうし、それは許されない過去だと思う。

 

また、それは精神的に未熟な学生時代の一シーンに限った話だとしても、成人してからもインタビューで反省したとは思えない態度や言動を繰り返すなど…

 

これは許容の範囲外だ。

 

でも、でもだよ。

 

彼の過去の悪行は今までもネットニュースに取り上げられたことがあるし、調べればすぐにわかったことだ。

 

つまりこれは、そんなことでさえ今まで見逃していた、あるいは見過ごしていた組織委員会任命責任に他ならないんじゃないか?

 

大抵のアーティストはオリンピックの仕事が来たら喜んで受けるだろうし、委員会もアーティストが過去に活動をしてきたか理解した上で依頼してきてると思うでしょ。

 

委員会の調査不足で、過去にアーティストの問題点が見つかったから辞任・解任なんて、そんなん委員会が仕事してないのと一緒だろ。

 

あんまりネガティブなことなんて言いたくないけど、今回のオリンピックに関してはコロナ禍以前におざなりな部分が多すぎる。

 

国を挙げての一大プロダクトでこれ?ってなっちゃうよ、そりゃ。

 

大体映像担当のミュージシャンを4日前に辞任させて、開会式・閉会式のディレクターを前日に解任させてどうするつもり?

 

罪は罪としても、直前で梯子を外すのが罰だと考えているならばとんだ大馬鹿ですよ。

 

最後まで任命した責任、そして任命された責任を以て仕事を全うするのが第一じゃないんですか。

 

トップの連中は自分たちの威厳ばかり気にして現場のことなんかこれっぽっちも考えてない。

 

本来ならば4年かけて用意すべきものを前日に変更するなんて正気の沙汰じゃない。

 

誤った判断で地獄を見る人々のことが想像できないんだよな。

 

そんな地獄絵図の中火蓋が切られた無観客のオリンピック、あと10分で開会式が始まるらしい。

 

どうなったって知らねぇよ、組織委員会が蒔いた種だから。

 

でも一つ覚えておいてほしいのは、選手やアーティストの責任じゃない。

 

彼らは不平等な戦いを強いられた被害者だ。

 

戦う人はみな美しい。

 

だから俺は彼らを応援する。

 

 

この利権にまみれたオリンピックが世界にどのような影響を与えるのか、全ては始まってからわかること。

 

見届けようぜ、世界の爆心地で。

 

それでは。